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校長による職員室「季節の風物詩展示」

第55回のテーマ「まだまだ食べたい!東西なべ対決!-西のてっちり 東のどぶ汁-」

第55回のテーマ「まだまだ食べたい!東西なべ対決!-西のてっちり 東のどぶ汁-

寒さが和らいできた季節となりましたが,

まだまだ三寒四温,寒い日が続いています。

 

そんな寒い日に食べたくなるのが鍋料理!

フグやアンコウの季節は「秋の彼岸から春の彼岸まで」といわれています。


西の鍋料理の中にフグを使った「てっちり」があります。

しかし,フグには毒があることで有名です。

昔の人がフグを「鉄砲(てっぽう)」と呼んでいたことがあります。

フグを食べるとあたり,あたれば死ぬこともあるということから

フグのことを「鉄砲」と呼ぶようになったそうです。

毒にあたると死ぬフグと,

弾にあたると死んでしまう鉄砲をかけたことからついた呼び方だといいます。

また,「ちり」とは「ちり鍋」のことで,

これは白身の魚を使った鍋のことをいいます。

魚の切り身を熱い鍋の中に入れると,

身がちりちりと縮んでいく様子から「ちり鍋」と名付けられたといわれています。

「鉄砲」と「ちり鍋」の2つが合わさり「鉄のちり鍋」となり,

「てっちり」へと変わっていったといわれています。

肉厚でふっくらしたフグの身と,ほのかな甘みが味わえる鍋料理は,

心までほくほくに温めてくれます。

そして,シメには雑炊がオススメです。

骨付きのアラ身から出汁が出たスープの旨味が凝縮されたふぐ雑炊はまさに上品で至高の逸品です。


東の鍋料理といえば,ここ茨城の地の「どぶ汁」です。

まだ、アンコウが食材として一般的に知られていなかった当時,

茨城県北部の漁師たちが船上で食べたあんこう鍋が始まりといわれています。

水を全く使わず,

ダイコンなどの野菜や味噌と鍋を持ち込むだけで作れることが船上での調理に好都合で,

何より栄養価が高かったためとても貴重な食べ物となっていました。

名前の由来は,あん肝から出た肝油(かんゆ)でオレンジ色にどぶのように濁ることや,

どぶには「すべて」という意味があり,

アンコウのすべてを入れることから「どぶ汁」と呼ばれているそうです。

ぶつ切りにしたあんこうの部位と野菜からでた水分だけで調理され、

肝の風味と味噌だけで味付けされるため、とにかく濃厚なのが特徴です。

そして,どぶ汁の醍醐味といえばシメの雑炊です。

私も北茨城の民宿で食べたどぶ汁の雑炊の味はいまでも忘れることができません。


西のフグに東のアンコウ,昔から貴重な濃厚漁師メシから発達して,

現在では誰でも美味しくいただける鍋料理と変化をしてきました。