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校長による職員室「季節の風物詩展示」

第66回のテーマ「五月雨(さみだれ)に 霞ケ浦湖畔の 花菖蒲 咲き濡れて♪」

 第66回のテーマ「五月雨(さみだれ)に 霞ケ浦湖畔の 花菖蒲 咲き濡れて♪」

 五月雨は、梅雨期に降る雨のことをいいます。梅雨は、梅の実が黄色く熟するころに降るところから「梅雨(つゆ)」、降るような降らないようなはっきりしない天候が、物をカビさせてしまうので「黴雨(ばいう)」とも書かれます。

 霞ケ浦湖畔には、いまを盛りに色とりどりの花菖蒲が咲き乱れ、五月雨にしっとり濡れています。雨に煙る霞ケ浦の沖を、ワカサギ漁をしている帆引き船が遠くに見え隠れしてます。

 展示してある帆掛け船と船頭さんは「かすみ人形」と呼ばれ、昭和初期ごろから土浦で作り始めた郷土民芸品です。霞ケ浦のタニシとシジミ、カラス貝の貝殻を使い、船頭人形と帆掛け船を形作ったものです。この「かすみ人形」は、郷土の日本画家、神林隻山(かんばやしそうざん)らが中心となって、昭和のはじめに創作され(向かって左側)、その後、市内在住の愛好家の創意工夫により、現在のような姿になりました(向かって右側)。現在、たま~に「かすみ人形保存研究会」の方が作られた「かすみ人形」が、「土浦まちかど蔵」で購入することができます。

 かぎりなく太古の水をたたえた霞ヶ浦。そこより紫峰筑波を仰ぎながら、かつて幾百という帆引船が、湖一面に帆をはりワカサギ漁をしていた姿に思いをはせながら、「かすみ人形」のロマンただよう素朴な姿、ふるさとの情緒をそこはかとなく感じさせるなつかしさをご覧いただきたいと思います。